
月夜の下で…
第2章 ~ 告白と嫉妬 ~
「まだ全然片付いてない けど…」
恥ずかしそうに、楼はアパートの扉を開けた。
アパートは二階建てで10部屋あり、見た感じ新しそうに見える‥‥
「おじゃまします」
今になって緊張してき た…
部屋に入ると、まだ開けていないダンボールがあちこちに置かれている半面、家具は一通り揃っていた。
これは予想以上かも…
「一応1LDKなんだけ どさ
あははは」
「片づけるの手伝うよ
2人の方が早く片づく でしょ?」
「えっいや
悪いって‥‥」
「楼ひとりじゃあ
いつ片づくかわからな いでしょ?」
そう微笑みかけると、みちるは部屋を片づけ始めた。
それを見て、楼も照れくさそうにダンボールを開けた――――
「これで最後だね!」
「っ!?
あっそれはっ!!!」
止める間もなく、みちるの手で最後の小さめのダンボールが開けられたら―――…
中にはエロ本やDVDがたくさん入っていて、2人は一瞬固まってしまった。
「…これは楼がした方が いいね」
「あ…うん‥‥」
顔色一つ変えないみちるに対し、楼は顔を真っ赤にさせてダンボールを受け取った。
「あっ‥なんか飲むかっ ?
ずっと片づけしてたか らのど渇いただろ!」
話しを変えるようにそう言うと、慌ただしく台所の方へ姿を消していった。
残されたみちるは、綺麗になった部屋を見渡していると、ふと‥寝室に目がいった―――
奥の方には勉強机があり、窓際にセミダブルの鉄パイプベッドが置かれていた……
楼が‥寝てるベッド‥ ‥
「コーラでよかったか? 」
「っえ‥うっうんっ
ありがとう」
差し出されたペットボトルのコーラを受け取ると、居間にあるフカフカの座椅子に座った。
その隣に楼も座り、ペットボトルに口をつけた‥‥
