
月夜の下で…
第1章 ~ 初恋 ~
「んっ…あっ…!」
きしむベッドの上…
半裸になったみちると、その上に覆い被さる同い年くらいの少年の姿があった。
相手が満足するまでその行為は続き、解放された時にはすっかり日が暮れてしまっていた―――…
街灯と月明かりだけが照らす、人気がなくなった住宅街を独りで歩くみちる…
すっかり遅くなっちゃ ったなぁ…
そういえば
この辺で通り魔がでた って…
ふと、朝のニュースを思い出した瞬間…
突然背後から何者かに押し倒され、勢い良くうつ伏せのまま地面に叩きつけられた。
「いっ…!!」
「チッ…
女かと思ったら男じゃ ねぇかっ
…まあいい
切り刻んだら一緒だ」
若い感じの男の声…
抵抗しようにも、うつ伏せのまま馬乗りにされていて身動きができず、首をめいいっぱいひねり横目で男の姿を見るので精一杯だった。
男は全身黒ずくめで、深く帽子を被っているせいで顔ははっきり見えない。
手には刃渡り10cmはありそうなサバイバルナイフが握り締められていて、恐怖と死が心を支配した。
そして、ナイフが振り上げられるのを確認し、固く目を閉じた―――…
