
月夜の下で…
第3章 ~ 愛しい人 ~
「……んっ‥‥」
朝‥‥?
カーテンのしていない窓から顔に日差しが直撃し、みちるは重たいまぶたを開いた。
目の前には、楼の整った寝顔があってドキリと胸が高鳴った。
昨日の出来事が鮮明に思い出される‥‥
ぼくだけを見る熱い視 線‥‥
混じり合う吐息‥‥
何度も重ねられた唇…
そして――…
「おはようっ
みちる…」
っ!?
「ろっ楼!
起きてたの!?」
いつの間にか目を覚ましていた楼に驚いて、飛び起きそうになった所を抱き締められた。
華奢な体はすっぽりと胸の中に収まり、鼓動と温もりを感じる―――…
「もう少しだけ‥こうし てたい‥‥」
「うん…
…そういえば…耳も爪 もなくなったね…?」
「落ち着いたからかな… 今まで‥うまく制御で きてたんだけど
みちるの前だと
いろんな意味で抑えが きかなくなる‥‥」
物欲しそうに見つめてくる楼に、みちるはだんだん鼓動が速くなっていくのを感じた。
「あ‥朝ご飯作るよ」
「まだ4時なのに?
…みちる‥‥」
「え…いや‥その‥‥」
ゆっくりと整った顔が近づいてくる‥‥
唇が触れたのを合図に、楼の逞しい体が覆い被さった―――…
