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月夜の下で…

第3章 ~ 愛しい人 ~

 
 
翌朝…
 
みちると手を繋いで登校する楼の姿があり、昨日のことが嘘のように元気そうだ。
ちなみに、みちるは相変わらずのジャージ姿だった。
 
 
 
「本当にもう大丈夫なの ?」
 
「ああっ
 みちるの看病のおかげ かな!」
 
「も~う…
 楼が死んじゃったらど うしようって
 一晩中悩んでたんだか らっ‥‥」
 
「あれはさすがのオレも ヤバかった!
 まさかニンニク注射さ れるなんて思ってなか ったし」
 
「よく薬なんて持ってた よね?」
 
「母さんが万一に
 毒になる物食べた時に ってくれたんだぁ
 案外‥使うの早かった な」
 
 
 でも…あの優しい森崎 先輩があんなことする なんて‥‥
 
「…森崎先輩のこと‥‥ どうするの…?」
 
「別にどーも
 ニンニク注射で殺され かけたなんて言っても ねぇー
 
 …それに…
 騒ぎになるようなこと はしたくないし‥‥」 
「そう‥だね‥‥」
 
 
 楼のこと知られたら大 変だし‥‥
 でも‥もし森崎先輩が 誰かに話したら――… 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
楼と別れ教室に入ると、何やら騒がしく重たい空気が流れていた。
 
 
 
「森崎先輩
 なんで飛び降りなんか したんだ?」
 
「さぁ~」
 
 
 っ!?
 飛び降りっ!?
 
「いつ!?」
 
 
 
気がつくと、無理矢理話しをしていた2人組の会話に割って入っていた。 
 
 
「え‥昨日…学校の屋上 で‥‥」
 
 
 昨日って…もしかして あの後にっ…!?
 …なんで‥‥
 
 
「おい‥大丈夫か?
 なんか顔色悪いぞ」
 
「でも助かって良かった よな」
 
「ほんとほんと!
 草の上だったから軽傷 ですんだんだってさ
 入院はしないといけな いみたいだけど‥‥」 
 
 生きてる!?
 …よかったぁ‥‥
 
「ねぇっ
 その病院知ってる!? 」
 
「うっうん」
 
 
 
 
 

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