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月夜の下で…

第4章 ~ 白銀(ハクギン)の狼 ~

 
 
大人っぽい雰囲気が漂い、切れ長の目をした綺麗系の容姿に‥モデルかというくらいスタイルが良く、白いスーツ姿がよく似合っている。
肩より長いサラサラの銀髪は、後ろで軽く束ねられていた。
 
その人並み外れた美しさに、ドキッと胸が高鳴った。
 
 
 
 綺麗な人だなぁ~
 楼の知り合いかな…? 
 
「愁さん…なんでここに ‥‥」
 
「お前が人間と付き合っ てるって噂で聞いて
 
 ふ~ん…
 本当に付き合ってんだ ?
 お前‥名前は?」
 
「さ‥真田みちる…です ‥‥」
 
「へぇー…なかなか可愛 いじゃねぇか
 今まで何人の奴とヤっ た?」
 
「えっ!?
 いやっ…その‥‥」
 
 なにっこの人…
 ギャップ激しすぎっ
 
 
 
まるでどっかの不良っぽい言葉遣いに驚き、思わず黙ってしまった。
 
すると楼は、少し遠慮がちに間に割って入った―――
 
 
 
「もういいだろっ…!? オレ達‥これから出掛 けるから‥‥」
 
 
 
目を逸らして押さえ気味にそう言うと、みちるの手を掴み逃げるように歩き出した。
 
 
 
「楼…?」
 
 どうしたんだろう
 
 いつもだったら…
 「近づくなっ!」とか 言うのに‥‥
 あの愁さんって人のこ と苦手なのかな…?
 わかる気もするけど… 
 
「さっきの男は
 次のボスになる予定で …オレと同じ人狼だ」 
「えっ…」
 
「あいつには絶対近づく な」
 
 
 
今まで見せたことのない怯えたような楼の姿…
なんとなく‥その理由が聞けなかった―――‥‥ 
 
 
 
 

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