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月夜の下で…

第4章 ~ 白銀(ハクギン)の狼 ~

 
 
翌日…
 
みちると楼は、手を繋ぎ仲良さげに学校へ向かっていた。
今までジャージだったみちるは、やっと制服に戻り着崩すことなく真面目に着ていた。
 
 
 
「楼の誕生日っていつ? 」
 
「8月26日だけど…
 もしかして祝ってくれ んのっ?」
 
「もちろん!
 楽しみにしててね」 
「おう!
 プレゼントはみちるが いいな♪」
 
「えっ…!?
 もうっ‥変なこと言わ ないでよっ…」
 
 冗談だってわかってる のにドキドキするっ
 意識しすぎかな…?
 
 
 
そうこうしている間に門の近くまで来ていて、女子の群れにふと目がいった。
その中心には愁の姿があり、みちるは驚いて目を見開いた。
 
 
 
 あの人っ…!
 なんで学校に!?
 
 
 
みちるの姿に気がついた愁は、女子達には見向きもせずみちるの元へ直行した。
 
 
 
「手ぇ繋いで登校なんて 仲がいいんだな
 …なぁ‥みちる」
 
「えっ!?
 なっなんですかっ…? 」
 
「楼なんかやめて
 俺のものになれよ」
 
『っ!?』 
 
 
 
思いもよらない告白に、ぼくと楼はもちろん周りにいた女子達も驚きのあまり、言葉を失い固まってしまった。
 
 
 
 えっ?今なんてっ?
 
 
「愁さんっ
 なに言ってんだっ!! 」
 
「てめぇに言ってねぇよ 」
 
 
 
ギロッと‥殺気のこもった目で睨みつける愁に、楼の肩はビクッと跳ね一瞬怯えたような素振りを見せた。
 
 
 
 楼‥‥?
 苦手っていうより‥怯 えてる…?
 …なんで…?
 
 
「なぁ‥告白の返事は? 」
 
「えっ…!あっ‥‥
 楼のこと好きだから… ごめんなさいっ…」
 
「…そっ‥‥じゃあ‥‥ いろんな手ぇ使って
 お前を惚れさせてやる 覚悟…しろよ」
 
 
 
妖しげな笑みを浮かべながらそう言うと、綺麗な顔が急接近してきた。
 
その時…
 
 
 
 
 

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