
月夜の下で…
第4章 ~ 白銀(ハクギン)の狼 ~
ドンッ!と愁の肩を勢いよくど突き、鋭い目で睨みつける楼‥‥
「みちるに近づくなっ! 」
「楼っ…」
一歩後ずさりした愁は、フッと鼻で笑い嫌な笑みを浮かべた。
「ふ~ん…
俺に手ぇ出すなんて
よっぽど痛てぇ目にあ いてぇーんだな」
「いくら愁さんでも
みちるに手ぇ出すんな ら許さないっ!!」
睨み合う2人…
いつの間にかギャラリーが増え、ガヤガヤと騒がしくなっていた。
なんか…とんでもない ことに‥‥
「まぁー、決めんのはみ ちるだ
っということで、よろ しくな‥みちる
俺のことは愁って呼べ …またな」
妖しげな笑みで微笑むと、颯爽と学校を後にして行った。
一体…なんだったんだ ろうっ‥‥
「……みちる‥行くぞ」
「えっ…う‥うん‥‥」
鋭い目つきのまま、少し強引にみちるの手を引き歩き出した――――
その昼休み…
二年A組の教室では、いつもの席で弁当を食べていたみちると楼の姿があった。
なんか気まずい‥‥
楼‥ずっと無言だし…
どうしよう…なにかし ゃべらないとっ‥‥
ずっと浮かない顔をしながら黙々と弁当を頬張る楼を、心配そうに見つめるみちる…
「ねぇ‥楼…その‥‥
えっとー…」
「心配するな
…あいつの魔の手から 命にかえても絶対守か らっ!」
「えっ…うん‥‥」
魔の手って…
っていうか‥みんな見 てるし‥‥
突然声を張る楼に‥クラスメイト達は驚いて、視線を向けていた‥‥
