
月夜の下で…
第4章 ~ 白銀(ハクギン)の狼 ~
「なんか…いつもの楼に 戻って安心した
ずっと怖い顔してるん だもん」
「ごめんごめんっ
ちょっと動揺しすぎて ‥‥」
「ぼくが告白されたから ?」
「それもあるけど…
ついカーッとなって
よりによって愁さんに たてつくなんて
やっちまったなーって ‥‥」
「愁さんって‥そんな偉 い人なの?」
「次のボスだからな
オレ達は‥ボスの言う ことは絶対だから
たてつくなんてありえ ないんだ‥‥」
「そう‥なんだ‥‥」
狼の世界もいろいろあ るんだ‥‥
心配そうな顔をするみちるに、楼はギュッと手を握った。
「大丈夫っ
群から追い出されるこ とはないから!
ってか‥ちょっかい出 してきたのはあっちだ し!」
「そう‥だけど…
でも‥やっぱり心配だ よ‥‥」
いろいろな手を使うっ て…
森崎先輩みたいに‥楼 に危害が及ぶようなこ とされたら‥‥
今度は寝込むだけじゃ 済まないかも‥‥
「みちるは心配性だなぁ 森崎みたいにつけ込ま れるなよ?
まぁ‥オレが絶対近づ けさせないけど…
愁さんにだけは絶対― ――‥‥」
急に真剣な顔になり、握っていた手に力が込められた‥‥
「…愁さんって…なにか したの?」
「んー…
ここで話すのはちょっ と‥‥
あとで話すよっ」
「わかった」
ここで話せない内容な のかな…?
気になるけど‥ちょっ と怖い‥‥
