
月夜の下で…
第4章 ~ 白銀(ハクギン)の狼 ~
その夜…
デートをして、楼にひまわりの前まで送ってもらっていたみちるの姿があった。
「ねぇ…
昼休みの時の話し‥聞 かせて?」
「ああ…そうだったな… 去年のことだけど‥‥ 愁さん…人を‥殺した んだ」
っ!?
「えっ…?」
予想以上の内容に、背筋が凍りついた。
楼は、話しにくそうにまた口を開いた―――
「オレ達の存在を知った 奴らが捕まえようとし ていたらしいんだ
それを知った愁さんが ‥‥
その時‥愁さん…
危害を加えようとした から殺して当然とか言 って‥‥
その事件以来…
みんな愁さんのこと怖 がってて
元々‥口が悪くて問題 児って有名だったんだ けど
今のボスが更生させて 前より問題は起こさな くなったみたいだけど ‥‥」
「そう‥だったんだ‥‥ そんなことしちゃって リーダーになんてなれ るの…?」
「難しいかな?
でも‥愁さんの親父… 今のボスね
リーダー的素質がある から
なんとかしようと頑張 ってるみたいだけど‥ ‥」
「…なんか‥思ってた以 上に深刻な話しでビッ クリしたけど…
そんな話し‥ぼくが聞 いて大丈夫なの?」
「前に言ったじゃんっ
みちるは特別だって! なんか‥暗い話しでご めん
じゃあ‥また明日な」
チュッと唇を重ねると、楼は笑顔で帰って行った―――……
深夜0時を回った頃…
ベッドの中で寝返りを繰り返し、寝付けない様子のみちる。
はぁ~…眠れない‥‥
コンコンと‥窓を叩く音が聞こえ、様子を伺うように恐る恐る窓を開けてみた‥‥
すると‥窓の外には―――‥‥
