
月夜の下で…
第4章 ~ 白銀(ハクギン)の狼 ~
「ようっ
ちょっと付き合えよ」
白いパンツとYシャツ姿の愁さんがいた。
「えっ!?
なんでっ!?」
「匂いでお前の部屋くれ ぇーわかる
早く来いよ」
「えっ?」
「チッ‥めんどくせぇ」
動揺してパニックになっていると、いきなり愁さんの腕が伸びて来て宙に浮いたように窓の外へ引き込まれた。
「わぁっっ」
「騒ぐんじゃねぇっ
人が来ちまうだろ」
そのまま愁の胸の中へダイブしたみちるは、なにがなんだか理解できずあたふたした。
「いきなりなんですかっ !?
ぼくになにか用でもっ 」
その時、突然顎を持ち上げられ塞ぐように唇が重ねられた―――
「んっ…あっ…やめっ‥ ‥‥」
強引に舌が絡み合い‥抵抗するが、がっちり抑えられていて身動きが取れずにいた。
なにこれっ…
気持ちよすぎて‥頭が ボーッとするっ‥‥
「クスッ…
感じやすいんだな
キスだけで‥そんな顔 真っ赤にさせて‥‥
俺のこと‥好きになっ たか?」
「そっそんなわけっっ
ぼくが好きなのは楼だ っ!」
「ふ~ん…そっ‥‥
まぁ諦めねぇけど」
そう言うと、いきなりお姫様だっこされ驚く間もなくすごい速さで走り出した。
「ちょっとーーっっ!
どこにっっ」
「言っただろ
ちょっと付き合えって よ
ってか
つかまってねぇと、落 ちるぞ」
「えっ!?」
その言葉に反射的に愁さんの首に腕を回し、慌てて抱きついた。
