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月夜の下で…

第1章 ~ 初恋 ~

 
 
 
 横に並ぶと
 結構迫力あるなぁ~
 190近くありそう…
 …アメフトしてそうな くらいすごい筋肉…… 
 
「オレは楼だ
 …お前は?」
 
「えっ…
 さ‥真田みちる‥です ……」
 
 思わず見とれてしまっ た
 
 
「いい名前じゃん!」
 
「名前負けしてるけどね 」
「そんなことないだろ~ オレは似合ってると思 う!」
 
「あ‥ありがとう」
 
 
 
自然と笑みがこぼれ、ふと隣を見上げてみると、目が合ってしまい慌てて視線を逸らした。
 
すると…
当たり前のように手を取られ、手を繋ぐ形となった。
 
思わぬことに胸が高鳴り、赤くなった頬を隠すように俯いた…
 
 
 
 どうしようっ
 すごい‥ドキドキして きたっ…
 手繋いだだけなのに… 
 
「みちるって…
 好きな奴いる?」
 
「えっ!?
 いっいないけどっ」
 
「…じゃあさぁ
 オレ‥立候補する!」 
「はいっ!?」
 
 
 
驚き過ぎて思わず足が止まり、目を丸くさせて楼を見つめた。
 
 
 
「一目惚れってやつ!
 …ダメ‥かな…?」
 
 
 
まるで捨てられた犬のように潤んだ目で見つめられ、思わず母性本能がくすぐられた。
 
 
 
 その目‥反則だよ…
 ダメって言えなくなる ……
 
「あっ…
 ここがぼくの家っ」 
 
 
気が付くとひまわりの前まで来ていて、話しを変えるように建物を指差した。
 
 
 
「ここって…」
 
「生まれてすぐ親が事故 で死んじゃって
 それからずっと
 この施設で暮らしてる んだ」
 
「…そっかぁ…」
 
「色々ありがとう
 もうそろそろ門限だか ら帰らないと…」
 
 
 
そう微笑みながら、繋いでいた手を離した。
その瞬間…
力強く抱き締められ、戸惑いを隠せずあたふたした。
 
 
 
「さっきの話し‥本気だ から…」
 
 
 
耳元で囁くように言うと、スッと離れ夜道を走り去って行った。
 
残った温もりを感じながら、もう見えなくなってしまった後ろ姿を、しばらく見つめ続けた―――……
 
 
 
 
 

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