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月夜の下で…

第4章 ~ 白銀(ハクギン)の狼 ~

 
 
 
「お前‥学校行くんだろ ?
 送ってってやる」
 
 
 …楼…絶対に誤解して る‥‥
 どうしよう‥‥
 
 
「おいっ
 聞ィーてんのかっ?」 
「えっ!?
 ごめんなさい‥‥」
 
「みちるくん
 前にも言ったでしょ? 」
 
 
 
施設の人がそう言った瞬間、愁が目の前に立ちはだかった。
 
 
 
「俺が勝手に上がり込ん だんだ
 みちるじゃなく俺を怒 れ」
 
「えっ!?あの~…
 こっ今度からは気おつ けてねっ‥‥」
 
 
 
愁の完璧な容姿とスタイルを目の当たりにして、顔を赤くさせてそそくさと部屋を出て行った。
 
 
 
「なんでベッドにいたの っ!?」
 
「一緒に寝たかったから 」
 
「楼に誤解されちゃった でしょっ!!」
 
「俺は別にいーけど
 ってか‥その方が好都 合」
 
「もういいっ!!」
 
 なんとかして誤解をと かないとっ…
 楼なら話せばわかって くれる!
 
 
「そんな怒んなよ
 なんなら‥ほんとにヤ っちまうか?」
 
「えっ…!?」
 
 
 
愁の綺麗な顔が、ゆっくりと近づいて来る‥‥
 
 
 
「ぼくはっ…
 楼じゃないとやだっっ !!
 もうっ出てってよ!! 」
 
 
 
愁の胸を力いっぱい押し、窓の方へ追いやった。 
 
 
「ハイハイっ
 わーったよ!
 また遊びに行くからな 」
 
 
 
悪戯な笑みを浮かべて、身軽に窓から出て行った。
 
 
 
 今までで…
 最悪な朝だっ―――… 
 
 
 
 

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