月夜の下で…
第4章 ~ 白銀(ハクギン)の狼 ~
その昼休み…
みちるはひとり、教室で2人分の弁当を寂しそうに食べていた。
楼…学校に来てないみ たいだし
…どこ行っちゃったん だろ‥‥
帰り‥アパートに行っ てみようかな‥‥
「今日は一人なの?」
聞き慣れた優しい声…
ハッと‥顔を上げると、優しく微笑む森崎先輩の姿があった。
「森崎先輩‥‥」
「俺も一緒に食べていい ?」
「はっはい」
森崎先輩は、前の席の椅子をこっちに向け座った。
「元気ないね
月野君とケンカでもし たの?」
「えっいや…ケンカって いうか‥‥」
「俺のクラスでも噂にな ってるよ
…銀髪美形と月野君が みちるを取り合ってる って‥‥」
「えっ…」
「俺的には‥少し複雑だ けどね‥‥
その銀髪美形って‥‥ 人間?」
楼のこと知ってるし… 言ってもいい‥かな… ?
「‥‥楼と同じ‥‥」
「そう‥‥
こんなことになるんな ら…
みちるのこと‥諦めな ければよかった――― ‥‥」
切なげに見つめる森崎先輩…
「なにがあっても…
楼への気持ちは変わら ないです」
「…そうだね
ごめんね‥変なこと言 って‥‥
俺でよければいつでも 話し聞くからね
陰ながら‥応援してる よ‥‥」
「先輩…ありがとう‥‥ 」
優しい微笑みと言葉に、思わず涙目になってしまった。
そんなぼくの頭を、慰めるように優しく撫でる森崎先輩。