月夜の下で…
第5章 ~ 略奪愛 ~
「‥‥いっ‥‥おい‥‥ みちる‥‥」
誰か‥呼んでる…?
徐々に意識が戻り、ゆっくりと目を開けると‥‥
愁の綺麗な顔が飛び込んできて、バッと勢いよく上半身を起こした。
自分がベッドに寝ていたことに気がつき、見慣れない部屋の風景に緊張が走った。
広々とした部屋には、ベッドとクローゼット以外なにも無く、カーテンすら無かった。
大きな窓から差し込んでくる月明かりが、2人を照らす―――‥‥
「ここ‥どこ…?」
「俺の部屋だけど…
お前‥途中で気絶しだ したから
つい連れて来ちまった ♪」
あ‥‥
桜の木でのことを思い出し、顔が真っ赤になっていった。
そんなみちるに、ズイッと顔を近づけ妖しげな笑みを浮かべた。
「キスだけで気ィ失うな んて…
そんなに良かったのか ?」
「そっ‥そんなわけっ… ねぇっ‥家に帰してっ !?」
「…だめだ‥‥
お前を‥帰すつもりは ねぇ」
っ!?
鋭い目で睨みつけるように見つめられ、恐怖と不安が一気に襲いかかってきた。
抵抗する間もなく力づくでベッドに押し倒され、強引に唇を奪われた。
「んっ…やっ…!
あっ‥‥んんっ‥‥! 」
とろけるような激しいキス‥‥
いつの間にか制服が乱されていて、唇はそのまま露出した肌へ這っていった‥‥
「あっ…!ダメっ‥‥」
嫌なのにっ
…キスされたところか ら熱くなっていくのが わかる‥‥
「みちる…
お前を…体で縛ってや る‥‥」
そう囁かれた瞬間‥気を失いそうな快楽が一気に押し寄せてきた―――
「ああっっ!!やっ!! …はぁっあっっ…!! 」
「ハァ…みちるっ…ハァ ‥‥」
息を乱しながら、愁は力強く華奢な体を抱き締めた‥‥
まるで…愛おしむように――――……