月夜の下で…
第5章 ~ 略奪愛 ~
誰かが優しく頭を撫で る感触‥‥
まだもうろうとする意識の中、みちるは目を覚ました。
目の前には、上半身を起こした状態で頭を撫でている愁の姿‥‥
「やっと起きやがったか 」
ぼく‥‥
体を起こそうとするが思うように力が入らなく、またベッドに体を預けた‥‥
「少し休んでろ
昨日は‥すげぇ激しか ったんだからな‥‥」
っ!?
その一言で昨夜のことが鮮明に思い出され、胸が高鳴り顔が真っ赤になった。
―――と同時に…
罪悪感が押し寄せ、痛いくらい胸を締めつけられた‥‥
ぼく…楼を裏切ったん だっ‥‥
森崎先輩の時とは違う ‥‥
最低だっ‥‥!!
溢れる涙‥‥
その流れるものを、愁はそっと舐め取った―――‥‥
えっ…?
一瞬‥悲しげに見えた顔は、妖しげな笑みに変わり少し強引に唇を押しつけてきた。
「…んっ…んんっ‥‥
あっ‥‥!」
だんだん激しくなっていくキスに、体が熱く‥息を乱していった‥‥
「もー少し休ませてやろ ーと思ったけど…
予定変更」
そう言うと、着ていたYシャツをバッと脱ぎ捨てた。
愁の細身だが筋肉質な体が露わになり、思わずドキッとした。
「俺の理性を…ふっ飛ば したお前がわりぃっ
今日一日‥覚悟しろよ ‥‥」
「えっえっ…」
ガバッと完璧な体が覆い被さり、首筋に唇を寄せられた―――‥‥