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月夜の下で…

第5章 ~ 略奪愛 ~

 
 
 
 みちるっ
 どこ行ったんだっ!? 
 
 
雨が降り続く中…
 
制服姿の楼が、血相を変えて街中を走り回っていた。
 
 
 
 ちくしょうっ
 雨でみちるの匂いが全 然わからないっっ!! 
 あの時‥部屋まで送っ てればっ‥‥
 ‥‥まさかっ…
 愁さんに連れ去られた んじゃ‥‥!
 
 
 
ギュッと拳を握りしめた‥‥
そして、もの凄い速さである場所へ向かって行った――――
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 あれから何時間経った んだろう‥‥
 何度‥唇を重ねて…
 何度‥体を許した…? 
 
 
月明かりが照らす中…
 
独り裸で、ベッドに力なく横たわっているみちるの姿があった。
 
 
 もう‥体が動かない… 
 …楼は…
 こんなぼくを‥どう思 うんだろう‥‥
 きっと…拒絶される… ぼくには…楼に会う資 格はない‥‥
 
 ‥‥でも…
 
 楼に会いたいっ‥‥
 
 
 
涙が溢れ出し、途方に暮れていた‥その時…
何かが、優しく包み込むように覆い被さってきた―――
 
 
 
「泣いてんのか…?」
 
「あっ…」
 
 
 
耳に息がかかり、ビクッと体が反応した。
 
 
 
「息かかっただけですげ ぇ反応…
 俺ら‥相性よ過ぎじゃ ねぇ?」
 
 
 
そう言って、みちるの背中に唇を寄せた…
 
 
 
「あっ‥‥!やっ…」
 
「そー言うわりに…
 もう‥体熱くなってん ぞ」
 
 
 
妖しげな笑みを浮かべ、グイッと腰を掴み引き寄せた――――
 
 
 
「ああっ!!…そんな… いきなりっ‥‥!」
 
 
 
快楽で顔を歪ませ、息を乱すみちる…
 
愁は愛おしむように、その後ろ姿を見つめた―――‥‥ 
 
 
 
 
 

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