月夜の下で…
第5章 ~ 略奪愛 ~
「お願いっ‥もうやめて っ…
楼が‥死んじゃう‥‥ なんでも言うこと聞く から…愁のものに…
なるからっ‥‥」
涙を流しながら、必死に訴えるみちる…
すると愁は人の姿に戻り、そのままみちるを抱き締めた。
楼も人の姿に戻り、床に倒れたまま気を失っていた。
至る所に噛み傷があり、体中血まみれで痛々しい姿だった‥‥
「その言葉‥忘れんなよ …?」
「楼はっ‥うっ…ぐすっ …死んじゃったの…? 」
「気ィ失ってるだけだ
あの程度の傷ならすぐ 治る
…みちる…心も‥体も …全部‥俺にくれんだ な?」
それで‥楼が助かるん なら…
ぼくは―――…
「愁に…全てをあげる‥ ‥‥」
ごめんね‥‥楼‥‥
…誕生日‥祝えなくな っちゃった‥‥
ごめんっ‥‥
こうしてぼくは…愁のものになった―――…
楼は絶対認めないってわかってるけど…
でも…楼が傷つく姿‥‥もう見たくない‥‥
「あっ…!んっ‥‥あぁ っ!!」
次の日の休日…
特大サイズのベッドで、愁に激しく攻められているみちるの姿があった。
窓のガラスは張り替えられているが、壁や床は至る所めり込んでいて、どれだけ激しく争ったのかがよく分かる‥‥
楼っ‥大丈夫かな…
愁がアパートに届けた って言ってたけど…
「余計なこと考えるなん で余裕だな…?」
「そっそんな‥わけじゃ …あっ…!」
「そんな余裕…
俺が奪ってやるっ」
面白くなさそうにそう言うと、一層激しさを増し乱暴にみちるを求めた――――
「ああっ!!…はぁっ‥ そんなっ…激しく‥‥ 」
体が震えるくらい…愁 に‥感じてっ‥‥
…気が遠くなっていく ―――‥‥
「みちる……愛‥してる ‥‥」
耳元で優しく囁かれた瞬間、意識が遠退いていくのを感じた――――‥‥