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月夜の下で…

第6章 ~ 想いの果てに ~

 
 
 
「なぁ‥みちる‥‥」
 
 
 
真っ暗な部屋の中…
 
裸のままタオルケットを掛けて、力なくベッドに横たわっているみちると、その隣で片膝を立てて座っている愁。
 
 
 
「俺とここに住まねぇ? そしたら門限とか気に しなくていーだろ」
 
「…そう‥だけど‥‥」 
 
 
煮え切らない態度のみちるに、突然完璧な体が覆い被さった―――
 
雲で隠れていた月が姿を現し2人を照らす‥‥
 
視線の先には、今まで見たことのない真剣な眼差しで見つめる愁の顔があり、思わず胸が高鳴った‥‥
 
 
 
「お前は…俺が一生‥面 倒見てやる
 愛もくれてやる
 …だから‥‥
 
 早く‥あいつのこと忘 れろよ‥‥」
 
 
 愁っ
 ぼくの気持ちに気づい てっ…
 
 
「…俺だけを‥求めろ‥ ‥‥」
 
 
 
どこか悲しげな愁に、目が離せなくなってしまい見つめ合う形となった。 
 
 
 強引で‥手段を選ばな いけど‥‥
 
 でも優しい一面もあっ て…
 悪い人じゃないって思 いは‥今も変わらない ‥‥
 
「…楼のことは‥忘れら れない…
 ぼくの初恋の人だから 
 …でも…
 愁のこと‥好きになれ るよう努力するからっ ‥‥」
 
「フッ…
 期待してる‥‥」
 
 
 
嬉しそうに、穏やかな笑みを浮かべる愁…
 
少し近づけた気がして、みちるはホッとした様子で口元を緩めた。
 
 
 
ゆっくりと綺麗な顔が近づき、みちるは、それを受け入れるように目を閉じた‥‥‥
 
 
唇が重なり合う―――… 
 
 
 
 

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