テキストサイズ

月夜の下で…

第6章 ~ 想いの果てに ~

 
 
 
「やっぱ‥みちるの弁当 うますぎだよなぁ♪」 
 
 
昼休み…
 
天気が良く丁度暖かさの中、屋上で弁当を広げて楽しそうな雰囲気のみちると楼。
 
 
 
「ありがとう
 いつもよりちょっと気 合い入れてみたんだ」 
「ふ~ん…
 なんか楽しそーじゃね ぇか」
 
 
 
聞き慣れた明るい声に、反射的に振り向くと‥腕組みをしてドアに寄りかかっている愁の姿があった。
 
 
 
「愁っ
 どうして学校に?」
 
「こいつの臭いがしたか らな
 
 …お前‥山ごもりして たみてぇだな
 少しは強くなったのか ?」
 
 
 
挑発的な愁に、楼は立ち上がり落ち着いた様子で近づいて行った。
 
みちるに緊張が走る‥‥ 
 
 
「放課後…
 ちょっと付き合ってほ しい」
 
「俺に勝てると思ってん のか?」
 
「なにがなんでも
 絶対みちるを取り戻す 」
 
「へぇ~…
 今回は手加減しねぇか ら‥覚悟しろよ」
 
 
 
ピリついた空気の中、鋭い目つきで睨み合う2人‥‥
 
 
その会話を、ドア越しで息を潜めて聞いていた森崎の姿があった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「ねぇ…
 ぼくも一緒に行っても いい?」
 
 
 
下校途中…
 
並んで歩いている、みちると楼の姿があった。
 
 
 
「だめだ
 巻き込まれてケガした ら大変だし
 
 …オレを‥信じて待っ てて」
 
「…楼‥‥わかった…
 必ず‥迎えに来てね… 」
 
「ああ
 約束だ‥‥」
 
 
 
また一緒になれることを夢見て、2人は指切りをした――――……
 
 
 
 
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ