月夜の下で…
第6章 ~ 想いの果てに ~
矢っ!?
一体誰がっ‥‥
愁は人の姿に戻ってしまい、苦しそうに矢が飛んで来た方を睨みつけた。
そして、もの凄い速さでその人影の首を掴み上げ正体を露わにさせた。
「てめぇはっ…
俺に‥なにしやがった っ…!!」
「矢に…毒を塗っておい たんだよ…」
森崎先輩っ!?
なんでっ!?
「みちる…」
いつの間にか人の姿に戻っていた楼は、おぼつかない足取りで近づいてきた。
傷からは血が出ていて、足元にポタポタと流れ落ちていた‥‥
「楼っ!大丈夫っっ!? 」
「なんとか…
なんであいつがいるん だ…?」
「わからない…」
なんで‥愁をっ‥‥
「早くとめないとヤバそ うだな‥‥」
2人の方へ行こうとした楼だったが、力が抜けたように地面に膝をついてしまった。
「くっそ…」
「楼っ!」
歩けないくらい弱って るなんて‥‥
きっと‥愁もそれなり に弱ってるはずっ‥‥
「このままだと…死んじ ゃいますよ?
今のあなたならっ…
一時間‥もたないです ね‥‥」
息が出来なく苦しそうにそう言いながら、森崎先輩は嫌な笑みを浮かべた。
「じゃー…
死ぬ前にお前を殺して やるっ」
凄い力で、ギリギリと首が締め上げられていく。
「愁っっ!!
やめてぇっっ!!!」
みるみるうちに森崎先輩の顔が青ざめていくのを見て、もう駄目かと思ったその瞬間…
謎の男が愁の腕を掴んだ―――