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月夜の下で…

第6章 ~ 想いの果てに ~

 
 
 
「えっ‥‥」
 
「ごめんな…?」
 
「愁…」
 
 
 
寂しそうに見つめる愁に、思わず涙が溢れた‥‥ 
 
 
「なに泣いてんだよ
 自由になったんだから 喜べ」
 
「だって‥‥」
 
「楼も‥悪かったな」
 
「いや…
 愁さんとやり合えて‥ 貴重な経験させてもら って、ある意味感謝し てる」
 
「そっ…
 じゃー‥もう行けよ
 親父と世間話でもして な」
 
「愁…
 これで‥お別れじゃな いよね…?」
 
「どっかでまた会うかも なっ」
 
 
 
軽くそう言うと、悪戯な笑みを浮かべた。
 
 
 
「うんっ
 またね!愁」
 
「ああ」
 
 またね…か‥‥
 
 
 
笑顔で部屋を出て行くみちるを追うように、楼も部屋を出て行った。
 
森崎も行こうとしたが、突然愁が森崎の腕を掴んだ―――
 
 
 
「お前には‥まだ話しが ある…」
 
「なんですか?」
 
「俺達って似てると思わ ねぇ?」
 
「なにが‥ですか?」
 
「欲しいもんがあれば手 段選ばねぇとことか… 」
 
「…否定はしません
 
 俺は‥みちるの笑顔を 取り戻すために
 あなたを殺そうとした んですから‥‥」
 
「だからさぁー…
 
 似た者同士‥くっつい ちゃわねぇっ?
 どーせ独りなんだろ? 」
 
「正気‥ですか‥‥?」 
「ああ」
 
「あなたと付き合うなん て‥‥
 
 
 …フッ…
 それなりに面白そうで すね」
 
「じゃーけってーだな」 
「でも俺…
 攻め専門ですけど?」 
「クスッ…俺もだ」
 
 
 
ゆっくりと互いの整った顔が近づいていき、唇を重ね合わせた―――…… 
 
 
 
 
 

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