黒子のバスケ~裏試合~
第1章 黒子っち、大好きっス……。
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ピーーッ!
「集合!」
「「「「おす!!!」」」」
桃っち曰く、ギリBの監督が
大きな声で集合をかけると
全員が走って整列する。
「よーし。今日はこれでおしまい!
みんな、お疲れ様!
明後日は秀徳と練習試合だから
明日の練習はゲームね!
ちゃんと体休めること!」
「「「「あす!!」」」」
──相変わらず、
誠凜の監督ってすげぇな。
同じ高校生なのに
すごくしっかりして、
みんなまとめて……
「黄瀬くん」
「ぅおあ!!??」
び、びっくりした……
黒子っち大好きな俺でも
そう毎回毎回、影の薄い黒子っちに
気づくことはできない。
「……終わったんですが……
帰らないんですか?」
汗をウェアで拭いながら
俺のそばで、
舞台に座る俺を見上げる。
……やば。
上目遣いとか……なしでしょ。
「……帰るまえに、
…抱きしめさせてくれないっスか」
そういうと、
案の定黒子っちは
眉をよせ、嫌そうな顔をした。
「なんて、冗談っすよ!
早く着替えて帰ろ!」
冗談じゃないけど、
理性とんだらヤバイし。
嫌われたくないから。
我慢我慢っ!!
「……はい」
黒子っちは、
体育館横の部室に入っていった。