黒子のバスケ~裏試合~
第3章 ったく!わかんねぇよ…勉強も、黒子も
「…っ、……んっ」
目の前で
もじもじと自分のズボンを
軽くつまんでいる姿がみえる
─声漏れてるし。
あれか、
ズボンで擦れるからか。
黒子のことだ。
それで勃って、余計当たるんだろ…
「んん……っ、はぁ…」
…問題、解けねぇっつーの
「っ火神くん…はやく……っ」
黒子は俺に背を向けたまま
必死に声をだす。
「──……」
バサバサっ
「なに、してるんですかぁ…」
ズボンを持ちながら
顔だけを俺に向ける。
「だってよぉー。
黒子の声で集中できねぇもん
だから、
拾え?」
「……条件おかしいですよ」
「拾わなかったら、できねぇよ?」
ニヤッと、口だけ笑わせる。
「…っ、」
動くだけでもキツそうなのに
ズボンを握ったまま
ゆっくりと黒子はしゃがみこみ、
俺のテキスト類を拾い集める。
「ははっ なーにそこばっか
握りしめちゃってんだ?」
座ったまま、
プルプルと震える
黒子の教科書を持つ手をみて
もう片方に目をむける。