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好きな人がいた

第4章 高校一年生

二学期になった。
彼は再び学校に来なくなった。
でも私達はもう中学生ではない。
義務教育でもない。
簡単にやめさせられてしまう。
彼に会えなくなってしまうかもしれない。
その気持ちが先走って、毎日『大丈夫?』のメールを送り続けた。
最初は『大丈夫』って返事が返ってきて心から安心できた。
『明日は来なよ』とか、『留年しちゃうよ』とか、冗談で言い合えた。
でも少ししたら返事が来る回数が減った。
返ってきても雑なことが多かった。
そんな彼に中三のときの恐怖が蘇った。

あ、私また捨てられるんだなあ。
鬱陶しいって思われたのかな。
どうすればいいのかもうわからないよ。

そんなことを思って、つらくて仕方がなかった。

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