テキストサイズ

好きな人がいた

第7章 大学一年生

離れてようやく気づいたこともある。
私は彼女たちに嫉妬していたのだ。
私はとても不細工だ。そしてデブだ。しかも馬鹿だ。
だからこそ。

Bちゃんのように可愛く細くあれたら。

Cちゃんのようにだいたい何を言っても許される人徳があったら。

かの幼馴染みの子のように空気が読めて誰にでも好かれる性格であったなら。

とある友人のように素晴らしい頭脳を持っていたなら。

あの子のように物怖じせず自分の世間体も気にせず誰にでも話しに行けたなら。

私はまだ、彼の隣にいられただろうか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ