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“好きなところ”

第2章 Dye D?

「いや、俺はええんやけど…ヤスは…それで納得したんか?」

さっきの口づけを信ちゃんはどう考えたのか謎だ。

「納得したよ。僕も薄々気づいてたし。…それに、僕も…多分亮を幸せにできる自信なかったし。」

「なんで?お前、亮といるときむっちゃええ顔しとったやん?」

「…それ、いつの話?」

僕の一言で一気に冷たい風が吹き込んだ。

言葉を失った信ちゃんと僕の間には確実に大きな溝ができたんだと思う。

たった、ソファーの背もたれを挟んだ数センチが、やけに遠く感じた。

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