背徳の雨
第3章 ケガレ
私は
ただ愛されたかった
家族で遊園地に行ったり
友達とお買い物をしたり…
そんな事を夢見てた。
ごく普通の事だけれど、
叶わない夢なんだと諦めた。
私は汚れてしまったから
人並みの幸せなんて求めちゃいけない。
いつも通り身体を売り続けた。
でも今日は違う。
「離してください…!」
知らない男。
私は車に連れ込まれ、
私と絵里は無理矢理引き剥がされた。
「音羽ー!!」
閉まりかけた扉の向こう。
私を呼ぶ絵里の声が聞こえた。
怖くて怖くて頭が真っ白で
何も出来ない。
そして
気が付けばホテルにいた。
私の服は乱暴に剥がされ
一糸纏わぬ姿で
ベッドに横たわっていた。
男は私の身体を舐め回すように見つめ
ぬるりと濡れた舌を這わす。
「嫌ぁ!」
無意識に私は
男の顔を平手打ちにしていた。
俯く男。静寂。
その静寂が嘘だったかのように
凄い剣幕で男は私に罵倒を浴びせ
馬乗りになり、私の顔をビンタした。
じわりと痛む頬。
その痛みが私に虐待の記憶を蘇らせた。
──何も出来ないくせに──
男は私を犯す。
私の脳裏には佳代の言葉が浮かぶ。
──何で生まれてきたの?──
男の吐息が首筋にかかる。
──あんたなんて要らない──
私は要らない子
私はいらない子
わたしはいらない子
ワタシハ…
──死ねばいいのに──
「嫌ぁぁぁぁぁぁ!!!!」
私は我を失い、ただ暴れてた。
気が付けば室内は赤くて
覚えているのは
鈍い、感覚。
右手にはガラスの灰皿。
男は頭から血を流してた。
私は冷静だった。
服を着て、指紋を全て拭き取り
何事もなかったかのように
部屋を後にした。
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