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背徳の雨

第5章 儚く、脆く



寮へ帰ると電気がついていた。

消してなかったっけ?と考えたが
部屋に入った瞬間、
突然誰かが飛び出してきた。

「うわぁ!」

よく見たら亮。

「ビックリした…」

また知らない男だと思って、
身構えてしまった。
私は安心して胸を撫で下ろす。

「あーもう!
馨ちゃん、どこ行ってたの?!」

心配そうな表情をして
亮はとりあえず私をソファーへ座らせた。

「あ、ちょっとね」

苦笑いをして
机の上に置いてあるタバコを取ろうと
前屈みになった。

「ちょっと、馨ちゃん!」

「何?」

「背中どうしたの?!」

あぁ…忘れてた。

これを見られたからには仕方がないと

お腹が空いた事。
コンビニにいこうとした事。
男に追い掛けられた事。
そして逃げてきた事。

全て説明した。
その話を聞いた瞬間、亮の顔は青ざめる。

「え…あの、本当大丈夫?」

ちゃんと言葉を選んで慰めてくれたが
亮が思っているより
私は傷付いても、怯えてもいなくて
彼は安心したようだった。



しばらくして
青ざめた顔をして現れた白狐。








「大丈夫…?!…か」

亮に買ってきて貰ったおにぎりを
口一杯頬張る私を見た白狐は
拍子抜けしていた。

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