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花火の秘密

第1章 花火の秘密

「あーあ。怒らせたな。」

前を歩くたっちょんの隣にいく様子を見て、信ちゃんがさがってきた。

「信ちゃんも浴衣持っててんや。なんか以外。」

「おかんに聞いたら高校の時使ってたのがまだあるって言うから見てみたら案外着れたから着てきた。」

「まじか…。」

信ちゃんはオーソドックスに紺色の無地の浴衣。

前を見ると六人揃って浴衣。

「僕だけか…。」

「せや、亮に選んでもらったら?この横丁をちょっと外れたとこに呉服屋があったやろ?ふたりでいってきいや。」

「信ちゃんは…?」

するとにかっと八重歯をみせて前を見て、ひとつの屋台を指差した。

「俺はヨコと射的対決するから。勝ったら射的のお金とリンゴ飴をおごってもらう。この勝負は譲られへん!!」

何だか無駄な暑さを感じる。

そして指を指した射的の屋台が近づくとじゃ、ここから個人行動で。と言い残し、横ちょと屋台の前に仁王立ちした。

二人を置いて僕らは歩く。

「なあまる。」

「あ!盆踊りしてる!!」

広場まで来るとよりちょうちんが集まり明るい。

中央では俺たちよりずいぶんとがたいのいい男性が太鼓を叩いている。

「すっげー!!めっちゃカッコいい。」

「たっちょん、ああゆうのが憧れやったりするん?」

「まあね。ドラムやってるとやっぱ憧れるよ。太鼓の達人もしてるし。」

「あれはゲームやけどね。」

まるは陽気に盆踊りの輪の中に入っていった。すばるくんもふざけながら後に続く。

「どうする?」

子供のようにはしゃぐ二人を遠くから見ながらたっちょんを見た。

「僕、焼きそば買って二人見てる。」

「え?見てるん?どっか行かんの?」

「疲れた。」

…あんだけしか歩いてないのに。普段ダンスして歌ってドラムデッキ振り回すアイドルとは思えない。

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