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caramel

第1章 欺

―――着任式。

「続いて新任の先生方の紹介です」

校長の指示で、壇上へと階段を上がると、
先程よりも生徒達の姿がよくみえるようになった。


‥流石に高校生
体型は一人前ってとこか


「保険医の先生を紹介します」

変な妄想を慌てて振り払う。


「――では、挨拶をお願いします」


一歩前に出てから、深々と一礼する。
顔を上げ、生徒達の礼が終わると、俺は口を開く。


「佐藤幸也です。治療・相談・サボり以外の休憩、お待ちしてます。保健室にて」


最後に微笑を加えると、一気に女生徒の顔が紅に染まるのがわかった。


また一礼してから、用意された椅子に戻る。

‥なかなか楽しそうな予感
二度目の高校生活の始まりだ



保険医生活一年目、
高校生活四年目。

佐藤幸也は口元に魅惑的な笑みを浮かべたかと思うと、いつも通りの無表情に戻っていた。


職員会議が終わり、生徒は下校の時間。

しかし、保健室前は多くの人で埋め尽くされていた。

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