caramel
第1章 欺
―――保健室前。
「きゃあぁー!!幸也先生よっ!!!」
一人の生徒が俺に気づいた様子。
‥取り囲まれるまで
あと数秒ってとこか
軽く困った表情で、恐らく効果が無いであろう言葉を口にする。
「もう下校時間だから、早く帰った方がいいよ?」
「えっ…あたし、先生とお話したい~」
「私も!!」「私だって話したい!!!」
口々に駄々をこねる生徒達。
‥これだから嫌なんだ
自分に自信があるヤツらは
遠慮を知らない
その時、一人の男子生徒が此方に向かって歩いてきた。
女生徒達はそれに気づくと、あっという間に散っていった。
高校生としてはヤケに大人な雰囲気を漂わせる其奴は、無表情のまま言い放った。
「佐藤先生。少し顔がいいからって、生徒達の下校時間を遅らせるのは困ります」
‥俺のせいじゃねえし
てか誰だお前は
其奴は俺の心情を読み取ったらしい。
「失礼。僕は風紀委員長の唐澤 郁人(イクト)です。この学校では僕を恐れている人と畏敬の眼差しで見詰める人が半々です」
‥結局のところ
全員から恐がられてんのか唐澤
この佐藤幸也、他の男を認める事なんて滅多に無いのだが。
無表情でなければ、唐澤は相当モテるに違いない。
ガチャ
唐澤が何故か鍵を閉めた筈の保健室に侵入していた。
「きゃあぁー!!幸也先生よっ!!!」
一人の生徒が俺に気づいた様子。
‥取り囲まれるまで
あと数秒ってとこか
軽く困った表情で、恐らく効果が無いであろう言葉を口にする。
「もう下校時間だから、早く帰った方がいいよ?」
「えっ…あたし、先生とお話したい~」
「私も!!」「私だって話したい!!!」
口々に駄々をこねる生徒達。
‥これだから嫌なんだ
自分に自信があるヤツらは
遠慮を知らない
その時、一人の男子生徒が此方に向かって歩いてきた。
女生徒達はそれに気づくと、あっという間に散っていった。
高校生としてはヤケに大人な雰囲気を漂わせる其奴は、無表情のまま言い放った。
「佐藤先生。少し顔がいいからって、生徒達の下校時間を遅らせるのは困ります」
‥俺のせいじゃねえし
てか誰だお前は
其奴は俺の心情を読み取ったらしい。
「失礼。僕は風紀委員長の唐澤 郁人(イクト)です。この学校では僕を恐れている人と畏敬の眼差しで見詰める人が半々です」
‥結局のところ
全員から恐がられてんのか唐澤
この佐藤幸也、他の男を認める事なんて滅多に無いのだが。
無表情でなければ、唐澤は相当モテるに違いない。
ガチャ
唐澤が何故か鍵を閉めた筈の保健室に侵入していた。