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絡まる意味

第1章 絡まる意味

「妊娠したら…どうすんねん。」

「責任とって結婚する。」

「あかんって!!それは大問題や!」

机を壊すんじゃないかと言う勢いでガンガン暴れだした。

「わかった!コンドームは?」

「そんなんない。」

「ないの!?」

「男は妊娠せえへんからな。」

すっかり忘れていた。元々は男で、同じ関ジャニ∞のメンバーで、いくらここで体を奪っても、現実に永遠を誓うことは出来ないこと。

「なら、大丈夫やな。」

「は!?アホか!?あかんっんあ゛!!」

ならしてもいないはじめての信ちゃんに我慢して耐えていた下半身をねじ込んだ。

胸を触っていたお陰で信ちゃんから透明な欲が流れていたため、半分まで入ることは入ったがちぎれそうなぐらい強く締め付ける。

このまま先に進むのは到底無理そう。

「ボケ…。めっちゃ痛い…。」

思ってた以上に冷静な声が返ってきた。

息が上がって大きな胸が上下する。

「ごめん。抜いた方がいい?」

「……しらん。」

以外な言葉が返ってきた。

「当たり前や!!」って怒られると思ってた。

よく見ると横を向いてて分かりにくいが、泣いている。

いつも強気で、弱いところを見たことがなかった信ちゃんが泣いている。

「……信ちゃん…。」

「…なんやねん。」

「僕は信ちゃんの彼氏やから、これは知っとかなあかんと思うねん。」

「…なに?」

「…なんで…泣いてるん?」

単に痛いや苦しいから流れる涙には見えなかった。

その顔は、すごく寂しそうで、辛そうだった。

僕から逃れられない苦しみからなんかも知れない。

でも、昨日のやけ酒も、引っ掛かるところがある。

信ちゃんは顔が広いからいろんな人とお酒を飲むが、その分だけ自分の適した量を知っている。無駄にたくさん飲むことは普通ならない。

「…これ。ほどいてくれへん?」

「え?」

「逃げへんから。」

顔を見せないまま震える声が聞こえた。

紐をほどいてやると、その手で涙をぬぐい、ようやく僕に顔を見せてくれた。

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