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白雪姫

第1章 白雪姫

「わっ…わかってるわ。」

すばるくんを押し飛ばし、ぐっすり眠っているまるの顔をこっちに向けた。

強く無理矢理向けたため、「んっ…」と声が漏れる。

目を閉じて頭の後ろに手を入れて一気に顔を近づけて触れるだけのやさしいキスをした。

スッと顔を離すと、リンゴのように真っ赤な顔で目を丸くしたまるがじっと見つめる。

「…亮ちゃん!?」

「な、なんやねん。」

「起きたら…唇が…キスして…亮ちゃ…え、えっ…えええぇぇ!!」

「なななななんやねん!!」

いきなり飛び起きて俺から離れると唇を押さえてその場にしゃがみこんだ。

「おはよう。白雪姫。」

「は?白雪姫?てかなんで渋やん?てかなんで亮ちゃんの家?え、え?えぇ?なんで?」

しゃがんだり立ったりあっちいったりこっちいったりとにかく動きまわった後、自分が持ってきた絵本を踏んで滑って転けた。

「い゛ったい!!……あれ?なんでこの本がここに?」

「まるが持ってきてんやろ?」

「え?そうなん?てかなんでここにおんの?」

「何寝ぼけてるん?」

頭を抱えて考え込んでいると床に転がったら一口かじられたリンゴを見てバッと立ち上がった。

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