白雪姫
第1章 白雪姫
「思い出した!!亮ちゃん!!僕を目覚めさせてくれてありがとう!愛してる!」
まるでヌーの様に突進してくるとタックルを仕掛けるように抱きついてきた。
「ちょ!結婚は嫌やで!」
「え?嘘!?だって王子様やろ?」
「俺は誰のもんでもない!!すばるくん!話がちゃう!!」
「俺はただここ日本やでってゆうただけで海外行って結婚式あげればいいやん。みんなで祝福しに行くわ。」
ふざけて手を叩くすばるくんにそばにあった絵本を投げた。
「あ゛!投げやんといてよ!!僕の幼少期の夢!」
「…どうゆうこと?」
「小さい頃から白雪姫みたいに自分を助けてくれる王子様にキスしてほしいって思っててん。」
「女の子か!?…つか、俺は別にまるを助けたわけちゃうんやけど…。」
「それでもいい!亮ちゃんは僕の王子様!!」
「誰か助けてくれ!!」
俺の名前は錦戸亮。まっすぐすぎる丸山隆平と魔女のように意地悪な渋谷すばるは俺の悪友です。
(悪友なんてひどいわ!)
(そうやんか!まるに教えやんでいいこと教えて…。俺ほんまに疲れるわ。)
(すばるくんは僕に協力してくれただけやのに。)
(まるを裏切って俺を寝取ろうとしたけどな。)
(え!?……でも魔女だからいっか。)
(ええんかい!?)