テキストサイズ

シトイウカ

第1章 いち。

「雑観」
背を丸めて歩く癖に
煙突の街は
今日も空に溜め息を

アフタヌーンティーにて
場違いな僕は
ぐるり店内を回って
ピンク色に溜め息を

スタイル抜群なマネキンに
ウインクされたら
夕方には雨は上がるでしょう

夏の終わりと秋の始まりに
戸惑っているから
女郎蜘蛛は
雨に紛れて泣くんでしょう

パチンと弾いたその指に
とんぼが止まれば
生きた気もする

終わり。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ