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「わたしたちの欲するもの」

神様、どうか願いを

塀から
木に登って
電線を走って
ビルの谷間を飛び越えて
崖をよじ登って
山から翔んで
川を渡って
海越えて

海賊達のお宝に見向きもせず
化物どもを打ち倒し
洞窟を抜けて
桃源郷を走り抜け
ひたすらに
前へ

そして

夕日が堕ちる直前に
赤、橙色、黄色、緑、青、紺
の空の下
この辿り着いた浜辺で
波打ち際にあなたをぎゅうと
抱き締める

ああ

あったかい

あたたかいなあ

太陽よりもあたたかい

神様、ありがとう




終わり