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シトイウカ

第1章 いち。

「人生ゲーム的に一回休みとか振り出しに戻るとか」
北の牧場は幸せな春で
べこがもーとなきゃ
小鳥が返事
赤子の声も聞きたいな

こっちの季節は明けない梅雨で
蒸して焼かれて
油汗
ビアガーデンでも行きたいな

曇った空の向こうに
思い描くよ
夏の空

嫁に行ったあんたを
思い描くよ
北の空

青色のチューブで
思い切り描くよ
海と空と牧場の緑

くるりと回した絵筆の先からは
混ぜこぜの俺の色が
どっかに飛んで
どっかに染みた

泣いて飛んだあんたにエール
蒸して焼いた餃子にビール

幸あれ
乾杯


終わり。


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