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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第121章 美香のPartTimeLove⑲

それから次は、観葉植物の前に立って、片手で少しスカートの裾を上げて太ももが見えるポーズで、それをケンさんは下から覗き込むような角度で撮った。
「凄く可愛いよ。この角度から見えるラインが綺麗だ」
とケンさんは、まるでリズムをとるかのようにアタシに声をかけながらシャッターを押し続けた。
でもアタシには、今、自分がカメラにどのように写っているのか、全く想像もできなかった。きっとそこには自分が知らないアタシが写っているのだろうと思った。

「本当はこの後には下着の撮影をやるんだけど、ミカちゃんは極力露出を少な目にして清楚さや、純粋さ。そう。純真無垢なイメージで売りたいんだ。だから着衣のままチラリズムで下着が見えるくらいにしておこうね」
とケンさんが言った。
アタシはやっぱり下着にはなりたくなかったので、ならなくていいときき、ホッとした。

「アタシはケンさんが思っているほど純情じゃないかも知れませんよ」
アタシは言った。期待に反したり、驚かせたりしたくなかったからだった。

「そうなんだ。今の大胆発言は、ボクらの仕事ではとても嬉しいことなんだよ。純情に見えてエロい!男はそういうギャップにとても弱いんだから」
ケンさんがそう言った。

その後に、胸のボタンを二つはずして少しブラが見えたり、体育座りのように膝を立てて座り、角度によってはパンティが見えるようなポーズとかで撮った。

アタシは今凄く恥ずかしいことをしているはずなのに、何故かそんなに恥ずかしいと思わずに、言われるままに次々とポーズをとった。
何故こんなに自分が冷静でいられるのか。理由はケンさんだった。
カメラを構えて、しゃがんだり、台に乗ったり、右に左に汗をかきながら動き回る。
そこに、やらしい素振りなど無かった。真面目に、必死にアタシを良く撮ろうしてくれているのがビシバシ伝わってくる。
恥ずかしいなどと思ってはいられなかった。

そして撮影は終わった。

「お疲れさま。今、撮った写真をさっそくホムペにアップするから、きっと一瞬で仕事は入るだろうと言い、本当にすぐにアタシのデリヘルデビューの仕事が入った。

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