
~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~
第22章 空白の時間②
目が覚めるとアタシはベットで寝ていた。
そこは見慣れない部屋だった。
「ここは・・・?」
そう思い自分の隣を見た。純が裸で背中をこちらに向け寝ていた。
「あっ」
アタシは自分の姿に目をやり、自分もまた裸であることに気づいた。そしておぼろげな記憶が甦りはじめた。
アタシは恐る恐る、自分のお尻の辺りのシーツに目をやった。
「!」
シーツにはっきりと血のあとがついていた。
アタシは血を見ると、思い出したように急に、下腹部にヒリヒリするような痛みを感じた。
アタシは今ここで起こったことを確信した。
しかし、全く記憶がなかった。
アタシはしばらくぼんやりしていたが、はっと我に返り慌ててベットを降りた。
純はぐっすり眠っているようだった。
アタシはまずブラとパンティを探して身に着けた。
そしてティッシュでまだ少し痛みのある股の間をそっと拭いた。うっすらと血がついたのでそのままティッシュを当てたままにしておいた。
それからティッシュに純が持ってきた水を湿らせてシーツの血を拭き取ろうとした。
血が最初より広がり始めたので焦ったが、何度も水をつけティッシュを変えてこすって拭くと汚れはだんだん薄くなってきた。
「そんなこと気にしなくていいからもう一回抱かせてくれよ」
純が目覚めアタシを後ろから抱きしめた。
「ゴメンネ汚しちゃって」
純の手をほどきながらアタシは言った。
「ホンマに気にしなくていいから。うちの親ってそういうとこ何にも言わんねん」
純はそう言ったが、アタシはこれが親に見られるということが死ぬほど恥ずかしく感じた。
