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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第23章 空白の時間③

「でもマジむちゃくちゃ良かったわ。美香がいつもと違ってあんなになるなんてもう最高やったわ!」
純が興奮した様子でそう言った。
いったい何がどう最高なのかはわからないけど、純がこんなに喜んでいるということは、アタシはちゃんと女の子としてできたんだ。そう思うとちょっと嬉しくなった。
でも記憶が無いというのは恐ろしい。
「ねぇ、ちゃんと避妊はしてくれたよね?」
アタシは訊いた。
「もちろんやん。途中で美香も何度も言うし。あんな。うちの母親ってオレに勉強だとか、ああしなさい!こうしなさい!って何も言わないんよ。それがある時な、オレが親いないと思って彼女連れてきてん。それでやるよな。そしたらいつの間にか母親が帰って来てたみたいでな。その晩に真剣な顔して「避妊は絶対にしなさい」って。今まで何も言わない人がそんなこと言うからオレ”そこっ!”って思ったけど。これはちゃんとしないとって守ってるんや」
この人がバカなのは親のせいなんだとアタシは思った。
でも、この無邪気なバカだけど憎めない純の相手をしてくれていた誰かも、避妊とかそういうことをちゃんと気にしていてくれたんだと思うととても安心した。

「でもホンマに興奮したな。美香が初めてって言うのが信じられないくらい最初から体震わせて感じてくれて、中に入ってからも「もっと!もっと!」って激しくって。最後はオレの上にまたがって乗って、腰動かした時に、オレも声あげてイッてもうたわ」

純がそう言った。
アタシは恥ずかしさと恐ろしさで眩暈がした。

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