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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第29章 ギルティが現れる⑥

それから紫音はキツネ顔の髪を掴み顔を上げさせた。
キツネ顔は苦しさに顔を歪め、ボロボロと涙を流していた。その顔を見て紫音は楽しそうに笑った。そしてその笑顔を見たキツネ顔はさらに恐怖で顔をひきつらせた。
紫音は髪を掴んだまま体を引きずるように個室の中にに運び和式の便器の中にキツネ顔を頭から突っ込んだ。
そして足でレバーを踏んだままにして便器の水を流しっぱなしにした。
キツネ顔は溺れるように両手をバタつかせて声にならない声を上げてもがいた。
しかしそれは虚しいあがきだった。紫音の力は鍛えられた男並みでビクともしなかった。
しばらく水を流していると、さっきまでバタついていたキツネ顔の手がだんだん力なく弱弱しくなってきた。
紫音は便器からぐったりとなったキツネ顔を上げて床に放り出した。

「さて次はどっちだ?」

怯えて腰を抜かしたかのようにタイルの床に座り込んでいたキツネ顔の手下①と②が後ずさりした。
紫音は掃除用具入れの中に輪っかに巻いてあったゴムホースを見つけた。10メートル以上はありそうだった。
紫音はそれを取り、端をまず窓の鉄格子にかけてくくった。そしてグイグイと何度か引っ張りゴムホースがしっかり固定されたことを確かめた。
そして次にゴムホースをキツネ顔の手下①の首に回した。キツネ顔の手下①は恐怖におののきゴムホースを掴み外そうともがいた。即、無言でその腹に紫音のつま先が突き刺さり、キツネ顔の手下①はゴムホースを離し、胃のあたりを両手で押さえ体を丸め動かなくなった。
次に、ここまでの全てを見て完全にフリーズしてしまっているキツネ顔の手下②の首にも①からの続きのゴムホースを回して巻いた。そして最後に余っているゴムホースをまた窓の鉄格子に通して持った。
「せーのぉ!」
紫音はゴムホースの端をを両手で握り勢いよく引っ張った。鉄格子がギシギシと軋んだ。
キツネ顔の手下①②のお尻が床から少し浮いた。
二人は揃って首に巻かれたゴムホースが締まらないように手で掴み、脚をバタつかせた。手下②がオシッコを漏らしタイルが濡れた。
紫音は一度力を緩めて2人の様子を見て言った。
「さぁもう一回いこうか。なんなら今度はアイツに引かせようか」
ぐったり床に横になって動かないキツネ顔をチラリ見て紫音が言った。

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