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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第39章 神戸②

大学からほど近く、最寄りの駅から近いレディースマンションを両親が探してきた。

セキュリティがしっかりしていて、南向きのベランダからは遠くに海が見えた。まだ真新しい白い外壁の1Dkのマンションがアタシはけっこう気に入った。

マンションは基本的に男性の出入りが禁止されていた。
両親らしいなと思った。

両親はアタシに生活に困らない程度の仕送りを約束してくれた。それは無駄遣いができない金額ということだ。

アタシはは生活にどれくらいのお金が必要なのかなんて全くわからなかった。

元々金銭感覚というものが全く無かったからだ。

家賃は別として、光熱費、食費、生活必需品、消耗品。そういうものにお金を使ったことが無かった。

でも、きっとなんとかなる。

やっと叶った夢。不安など何もないんだ。

アタシは、生活と勉強に必要な最低限の物以外はいらないと思った。
部屋はすっきりとシンプルにしておきたかった。

しかしギルティを介して、他の人達から異論が出た。結局それぞれが必要な物をそろえると、けっこうな量になった。

仕方がない。ギルティを除いても5人分。一人ルームシェアみたいなものだ。
それはなかなか楽しいようだとアタシは思った。

生活が始まってすぐに、早くギルティにお願いしてもっと細かなルールを決めなければいけないと思った。
ギルティはみんなにも神戸の生活に慣れてもらうためだと、頻繁に入れ替わりを繰り返した。

そこで新しくルールとして必要な問題は、犯罪や自傷を禁止するだけではなかった。

紫音は近所を気にせずに夜中まで大音量でヘビーメタルを聴いた。
ヘッドフォンをすすめたが空気から体に伝わる響きを感じたいのだそうだ。

依舞は平気で近くのレンタル店でアダルトDVDを借りたり、ナンパされた男ついて行こうとした。

亜理沙はネットでヲタクな趣味のグッズを買い、部屋の壁中にアニメのポスターを貼り、さらにいろんなコスプレをクローゼットにかけた。セーラー服。ナース服。そして何かわからない、ヒラヒラでピカピカで端が尖ってたりするの服。きっとアニメの登場人物が着ているのだろう。

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