テキストサイズ

~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第40章 神戸③

アタシには、とても落ち着かない部屋になった。

あと、表に出ていない時も部屋で泣いてばかりのミユを誰が相手するかも決めなければいけなかった。

大丈夫だ。

みんなで仲良くやって幸せになればいいんだ。


アタシは夢にまで見た一人暮らしを楽しみはじめた。




大学生活は想像以上に忙しかった。

正直、大学生というのはのんびり青春を楽しんでいるというイメージがあったけど、外大は『文系の医学部』と言われるという噂通り、アタシは勉強漬けの日々をおくるこにとなった。

元々記憶力には自信があったアタシだけどレポートも多く、覚える量がハンパではなかった。

それでも将来を、海外で過ごすためには十分な語学力を身につけておきたかったし、特に他にやることもなかったので、アタシは勉強に集中した。

大学では必要な時以外は、誰とも話さずに一人で過ごした。

他人と関わることで自分を乱されたくなかった。

今のアタシにはギルティがいる。みんなのこともわかる。

でも、まだ絶対的な安心はできなかった。
もしまた、他人の前で混乱し意識を失い、異常な姿を晒すことになれば、せっかく手に入れた今の生活も失いかねないだろう。

静かに静かに大きな波を立てなければアタシたちはもう大丈夫だと思う。

だから今は誰とも関わらないことが一番いいはずだ。アタシはそう思った。

大学、勉強だけでなく、簡単な自炊、掃除、洗濯という生活に慣れ始めた頃に

イツキと出会った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ