
~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~
第50章 さらばネカフェ①
ネカフェのバイトをはじめて2年が過ぎた。
はじめからわかっていたことだったけど、ネカフェは恐ろしくネガティブな場所だった。
自分(もしくは彼氏彼女)一人だけになれる隠れ家的な空間とはいうけど、人が隠れてやろうとしていることは大抵暗くて陰湿さを感じさせる行為だった。男性客の大半はパソコンから得られるエロネタで抜いて帰る。中にはわざわざ通路側から見えるようにやるような変態もいる。
そんなものを見せられると吐き気がするほど気分が悪くなった。
お客さんたちが出ていった後の片付けをする時に、ゴミ箱の中のティッシュが放つ、あの独特の匂い。漂白剤のような薬品っぽい匂いと、腐った生ゴミの匂いが混ざったような匂い。
ボクも男だからその匂いが何なのかはよく知っている。でも、他人のものとなると耐え難い匂いに思えた。
お客さんでいっぱいになった週末の夜。ほとんどが男性客だった。ある時、あちこちのブースがカタカタと音をたて揺れた。中には低い唸り声をあげているヤツもいた。ヘッドホンつけているから自分では気がつかないのだろう。
そう店の中で、十数人の男がいっせいにしごきはじめたと思った時、限界が来た。このバイトを辞めようと思った。
はじめからわかっていたことだったけど、ネカフェは恐ろしくネガティブな場所だった。
自分(もしくは彼氏彼女)一人だけになれる隠れ家的な空間とはいうけど、人が隠れてやろうとしていることは大抵暗くて陰湿さを感じさせる行為だった。男性客の大半はパソコンから得られるエロネタで抜いて帰る。中にはわざわざ通路側から見えるようにやるような変態もいる。
そんなものを見せられると吐き気がするほど気分が悪くなった。
お客さんたちが出ていった後の片付けをする時に、ゴミ箱の中のティッシュが放つ、あの独特の匂い。漂白剤のような薬品っぽい匂いと、腐った生ゴミの匂いが混ざったような匂い。
ボクも男だからその匂いが何なのかはよく知っている。でも、他人のものとなると耐え難い匂いに思えた。
お客さんでいっぱいになった週末の夜。ほとんどが男性客だった。ある時、あちこちのブースがカタカタと音をたて揺れた。中には低い唸り声をあげているヤツもいた。ヘッドホンつけているから自分では気がつかないのだろう。
そう店の中で、十数人の男がいっせいにしごきはじめたと思った時、限界が来た。このバイトを辞めようと思った。
