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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第59章 PartTineLover②

「なんや。どうつっこんだらいいのかわからない。って顔してるから話を続けるな。
お店の名前はLAPISLAZULI(らラピスラズリ)。最初に店をはじめる前にちょっとしたコンサルティングしてくれた業界の古いプロデューサーは、そんな名前はダメだ。名前はお客さんや女の子にコンセプトを伝える一番最初の重要なキーワードだから、例えばギャルだとかロリだとか美少女やらアイドルやら、あとゴージャスやら濃厚なとか官能的だとかそういうメッセージが伝わるようにすべきだと言われたよ。でもオレはそういうのが嫌だったんだ。」
ボビーさんは、ボクにわかるか?わかるよな?そんなしぐさで話を続けた。

とても優しい目だったけどもう笑ってはいなかった。
コンサルティング?プロデュース?コンセプト?メッセージ?これはデリヘルの話だったはずだけど?
ボクは正直驚いた。風俗をバカにしていたわけではない。バカにさえすることもないくらい興味がなかった。
今、ボクが強烈な興味をひかれているのは、目の前の、さっき出会ったばかりのやや怪しい男の人が一生懸命に真剣に話している姿だった。
話の内容がたまたまデリヘルの話だっただけだった。
ボビーさんはコーヒーを一口飲み話を続けた

「そうそうLAPISLAZULI(ラピスラズリ)だった。知ってるか?これな」

そういってボビーさんはボクに左手を差し出した。
手首に美しく光る青い玉の並んだ数珠があった。
ボクは一目見て綺麗だと思った。

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