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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第66章 スカウトマンと良い話と悪い話④

占いって不思議なもんで

外れても、占いなんてそんなもんだろとあきらめる

でも何か一つでもたまたま当たれば、あそこは凄いと評判になる


オレは喋りも合わせてそこそこ評判になり一般的な占い師より何倍も稼いだな。
それに祝儀ってのもあるんや。ある日どこかの社長さんが何かの投資で迷ってて、オレんとこに見てもらいに来た。
その時も結局、丁か半かだった。二者択一だ。
でもわあの時は本当に神が降りてきたようやった。
ビビビでもズッキュンでもなくてパチンと指を鳴らすように、こっちだって閃いたんや。
で、数ヶ月した頃にその社長がありがとって来てポンと100万置いて行った。

まぁ、そんな大金はまれやけど、そんな感じで祝儀が入ることもあった。
夜の街の路地やったからもあったんやけどな。
とにかくだ、そんな感じでたくさんの人を見て話をきいてきたオレが見込んだんだよ。イツキ君を。
そうやねん。さっき久しぶりに鳴ったんよな。
パチンってな」

そしてボビーさんは微笑んだ。それは、ボクの不安を包み込むような優しい笑顔だった。
喫茶店のBGMはオルゴールの音でタイタニックのテーマが流れていた。

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