
~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~
第68章 スカウトマンと良い話と悪い話⑥
「ふーん。やっぱりイツキ君は面白いな。ますます興味が出てきたわ。なんならハグさせてくれんか?」
ボビーさんはそう言って両手を前に出した。
「いえいえいえ、けっこうです。それより今の何が面白かったんですか?」
ボクは両手を盾にするように開いて、イスごと後退りしながら言った。
「あぁそうやな。オレは悪い話って言ったのに顔色をまったく変えなかったな。目が泳ぐわけでもなく。誤魔化し笑いをするわけでもなくオレの目をじっと見てたままな」
ボビーさんもボクの目をじっと見ながら言った。
どうやらこの人は、冗談を交えたりしながらもボクのことをしっかり観察して分析でもしているみたいだった。
自分でもわからないボクのことがボビーさんにはどう見えているのか教えてほしかった。
「イツキ君は見かけよりずっとタフなハートをしているようだな。きっといいスカウトするぞ」
ボビーさんはうんうんと頷きながら言った。
「そんなことはないです。ボクみたいなヘタレはなかなかいないと思ってます。他人に対しても自分に対してだって何かをする勇気が全然ありません。」
「そかそか。勇気なんてそんなに軽く見せるもんじゃないんだからいいんやない?何かをするしないなんてもんは本人の覚悟の問題やとオレは思ってる。それはハートのタフさにもなるんやないか」
「覚悟?」
「そう。何かをやり遂げたいとか、何かを守りたいとか。それを強く思う覚悟。それがあれば簡単には心は折れないし、怖いものはない。オレはそんな風に思ってるんや。」
「覚悟。ボクにはそんなもの一片もありませんよ」
「ホンマか?ホンマにか?おかしいなぁ。オレの勘違いか?じゃああれか?天性の生まれつき鋼のハート持って生まれたか?」
ボビーさんは自分の左胸を
ドンと叩くフリをした。
ボビーさんはそう言って両手を前に出した。
「いえいえいえ、けっこうです。それより今の何が面白かったんですか?」
ボクは両手を盾にするように開いて、イスごと後退りしながら言った。
「あぁそうやな。オレは悪い話って言ったのに顔色をまったく変えなかったな。目が泳ぐわけでもなく。誤魔化し笑いをするわけでもなくオレの目をじっと見てたままな」
ボビーさんもボクの目をじっと見ながら言った。
どうやらこの人は、冗談を交えたりしながらもボクのことをしっかり観察して分析でもしているみたいだった。
自分でもわからないボクのことがボビーさんにはどう見えているのか教えてほしかった。
「イツキ君は見かけよりずっとタフなハートをしているようだな。きっといいスカウトするぞ」
ボビーさんはうんうんと頷きながら言った。
「そんなことはないです。ボクみたいなヘタレはなかなかいないと思ってます。他人に対しても自分に対してだって何かをする勇気が全然ありません。」
「そかそか。勇気なんてそんなに軽く見せるもんじゃないんだからいいんやない?何かをするしないなんてもんは本人の覚悟の問題やとオレは思ってる。それはハートのタフさにもなるんやないか」
「覚悟?」
「そう。何かをやり遂げたいとか、何かを守りたいとか。それを強く思う覚悟。それがあれば簡単には心は折れないし、怖いものはない。オレはそんな風に思ってるんや。」
「覚悟。ボクにはそんなもの一片もありませんよ」
「ホンマか?ホンマにか?おかしいなぁ。オレの勘違いか?じゃああれか?天性の生まれつき鋼のハート持って生まれたか?」
ボビーさんは自分の左胸を
ドンと叩くフリをした。
