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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第71章 スカウトマンと良い話と悪い話⑨

「いや、逮捕なんてほとんどまず無いな。前に私服の女性警察官に声をかけたヤツがいたらしいわ。そりゃパクられるな。いい逃れできんもんな。いい逃れってのは、声かけたとこ警察に見つかっても、ナンパやと言い通したりするんや。オレは女性警察官にそんな色っぽいのがいたことに驚いたわ。それでも、それはスカウトマンが悪いな。相手を見て声をかけないヤツらが多くなってるんや。勢いで数だけ行こうとする。リスクばっかり高くなって質は落ちる。
相手を見てこそのスカウトマンやねんけどな。あと未成年者は絶対アカン。そういうガキらが、他でなんぞやらかして補導でもされて、あれやこれや喋られたら面倒なことになる。警察は最初に店に引っ張った人間を締め上げる。スカウトマンのことや。もちろん店側がミテコを雇わんかったら問題はないけどな。

「ミテコ?」

ボクはあまりにも業界のことを知らなさ過ぎるから聞いたことの無い言葉がたくさんありそうだった。
「あぁ未成年者のことを業界ではミテコって言うねん。~身分証明・提出・困難~やって。あとは。何でもそうなんやろうけど、大きくなり過ぎたらアカン。目立ち過ぎると叩かれるんや。」

「それはどういう意味ですか?」

「ついこの間や。大阪の大きなスカウトチームがやられた。スカウトマンは50人くらいにまでなってたんかな。関西の業界では知らないヤツはいないってな。かなりイケイケなチームで、スカウトした女の子に金を貸して型にはめて追い込んで働かせてたりとかしていてな。あまりやり過ぎて女の子が警察に駆け込むようなことが続いたらしいわ。お金貸して働かせたらアカンねん。管理売春ってのになるねん。結局因果なもんで、そのスカウトチームは警察に解体まで追い込まれたよ。徹底的に調べ上げられたけど年間2億4千万の収益があったとかや。」
そりゃデカくなり過ぎたやろ。警察からしたら、いい見せしめなるやろ」

「ボビーさんとこは、実際どれくらいの規模でやってるんですか?」

そういえばボビーさんのお店「ラピスラズリ」のことについて、まだほとんど何もきいてなかった。


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