
~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~
第79章 風とともにはじまる①
ボビーさんに連れて来られたのは、繁華街から車で10分ほど離れた住宅地にあるマンションだった。
確かすぐ近くにラブホテルが何軒か集まってたはずだった。
玄関から入ると、広いリビングに、向かい合った白いソファーと、間には透明なガラステーブルがあって、ボクはその片方のソファーに座った。
ここがラピスラズリの事務所。
きちんと整理されて、とても清潔な部屋は、白が基調になったクロスや家具に囲まれて、トレンディドラマに出てくるようなオシャレな雰囲気だった。
一方の壁に幅広いデスクが2つ並んで置かれていた。
どちらにもデスクトップのパソコンが置かれている。
「はい。ありがとうございます。では9時に新神戸のホテル、ルベールの301号室ですね。……」
デスクの前の椅子に座って電話の対応をしている男の人がボクの方を見てニコリと笑顔で小さく頭を下げた。
白いワイシャツにスーツのベスト。少しウェーブのかかった柔らそうな茶色の髪に優しそうな目をした、ボビーさんとは違ったタイプの人だった。
デスクの前には大きなホワイトボードがかけられていて、そこに名前が書かれたプレートやらタイマーが貼られていた。
もう一方の壁には棚があって、低い方の棚には電話機とプリンターが置いてある。
見ていると。ここはごく普通の仕事をやっている事務所のように見える。
ただ、隣の高い方の棚に並ぶハチミツを入れるようなボトルが並んでいるのと、そのまた横にあるハンガーにかけられた、セーラー服やら、ナース服やら、OLの制服らしき服たちが、このオシャレな部屋に異質な怪しい臭いを放っていた。
「見る物全てが珍しい赤ちゃんのような顔してるぞ」
ボビーさんがホワイトボードの予定を確認しながら、ボクの方を振り返って言った。
「はい。まさにその通りです。ボクには何もかもが興味の的です。ただ、ここはとても居心地がいい空気があります」
「そうか。それは良かった。オレらの事務所はそうでないといけないんだ。女の子もスタッフも、ここにいてリラックスできる空間な。ここにま来たくなる。ここにずっといたくなる空間や。それを店作る一番初めに考えたんや」
確かすぐ近くにラブホテルが何軒か集まってたはずだった。
玄関から入ると、広いリビングに、向かい合った白いソファーと、間には透明なガラステーブルがあって、ボクはその片方のソファーに座った。
ここがラピスラズリの事務所。
きちんと整理されて、とても清潔な部屋は、白が基調になったクロスや家具に囲まれて、トレンディドラマに出てくるようなオシャレな雰囲気だった。
一方の壁に幅広いデスクが2つ並んで置かれていた。
どちらにもデスクトップのパソコンが置かれている。
「はい。ありがとうございます。では9時に新神戸のホテル、ルベールの301号室ですね。……」
デスクの前の椅子に座って電話の対応をしている男の人がボクの方を見てニコリと笑顔で小さく頭を下げた。
白いワイシャツにスーツのベスト。少しウェーブのかかった柔らそうな茶色の髪に優しそうな目をした、ボビーさんとは違ったタイプの人だった。
デスクの前には大きなホワイトボードがかけられていて、そこに名前が書かれたプレートやらタイマーが貼られていた。
もう一方の壁には棚があって、低い方の棚には電話機とプリンターが置いてある。
見ていると。ここはごく普通の仕事をやっている事務所のように見える。
ただ、隣の高い方の棚に並ぶハチミツを入れるようなボトルが並んでいるのと、そのまた横にあるハンガーにかけられた、セーラー服やら、ナース服やら、OLの制服らしき服たちが、このオシャレな部屋に異質な怪しい臭いを放っていた。
「見る物全てが珍しい赤ちゃんのような顔してるぞ」
ボビーさんがホワイトボードの予定を確認しながら、ボクの方を振り返って言った。
「はい。まさにその通りです。ボクには何もかもが興味の的です。ただ、ここはとても居心地がいい空気があります」
「そうか。それは良かった。オレらの事務所はそうでないといけないんだ。女の子もスタッフも、ここにいてリラックスできる空間な。ここにま来たくなる。ここにずっといたくなる空間や。それを店作る一番初めに考えたんや」
