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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第88章 ドライバーでスカウトマンで⑤

なんだか想像はしにくかったけど、あのボビーさんを怒らせてはいけないのは、よくわかっていた。

できることならそういう場面に出くわしたくないなと思っていると、サブローさんが続けた。

「でも、自分がスカウトで連れてきた女の子は特別扱いして相手してあげなアカンけどな。スカウトっていうのは入れるだけやなくて、入れてからの面倒もみないとアカンみたいや。でも、そのコばかりかまうと、他の女の子が焼きもち焼いて面倒なことになる。難しいもんやな。イツキ君。スカウトもやるんやろ?」

「はい。まだそれも全く自信とかないですが、やってみようと思ってます」

「うん。イツキ君くらい男前ならすぐに女の子捕まえてきそうや」

「いえ、いえ、そんなに簡単ではないのはわかります。でも、実際「ラピスラズリ」にもスカウトで入ってきた女の子はいるんですか?」

ボクはまだ「ラピスラズリ」の内情がほとんどわからない。サブローさんならなんでも知ってそうだと思い気になってたことをきいてみた。

「そうだなオレも詳しいこと全てはわからんよ。そういうことまでドライバーには教えてくれんもんやからな。ただこの「ラピスラズリ」は3年前のオープンから今まで、ほぼボビーさんとケンさんの昔の縁とかで連れて来た女の子ばかりらしいで。だからこの店は女の子の人数こそ少ないけどレベルは高いと評判なんや」

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